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「応募、ないねー」
青は赤に蹴りを放ちながら呟く。
「まだ応募を開始してから一日しか経ってないだろう」
赤は青の蹴りを腕で防ぎながら答えた。二人は2の基地の裏手の方にある稽古場で組み手をしていた。
青は結構本気でやったのに全然余裕そー…と内心舌打ちしつつ次の攻撃に移る。
「結構待ち焦がれてるから最初の一人目ってかなり特別になりそうな気がするよねー」
「使える奴ならな」
続いて放たれた青の拳を赤は掴んで止め、そのまま引き寄せ青の足を払う。
「やばっ!」
足が床を離れたところで青は痛みの覚悟が出来た。
ドバンッ!!!
響く音と共に背中に走る痛みに青は悲鳴を奥歯を噛んで飲み込んだ。一本背負いを決めた赤は痛みに呻いている青を見下ろして呟く。
「接近戦はまだまだだな」
「接近戦は赤の領分じゃん。遠距離戦なら僕に負ける癖に」
唇を尖らせる青に赤はまあなと同意する。
「一応俺が総帥という立場である以上もっともっと強くならねばならない。新たに俺の背中を守ってくれるであろう仲間を守るためにも」
見つめた拳を強く握り締める赤を見て、青はそうだねと同意して立ち上がる。
「じゃあ遠距離戦も強くならなきゃね~」
ニッコリと笑った青は何処からともなく出した大量のナイフを構えていた。
「そ、そのつもりだ!」
お互いを高め合いながら二人は新たな仲間を待つ。
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