第5章 是空 魔王の城へ

5/9
前へ
/63ページ
次へ
大広間へ通された 是空 目の前には 縄でぐるぐる巻きにされた ヒィラン姫その縄を持つ下忍 そして 真白翁 玉座に座る 空魔 蓮十郎 すぐ近くには 座って見物中の 白兎馬 凛 そこから 離れて 控えの間らしき場所に いる一団は どうやら 先程 真白翁の忍法 黄泉の光による大角族の兵士復活劇で 降参した 小さなものたちが います どうやら 魔王による忠誠の儀式(忍法による洗脳)を行う直前だったようで 何が今 ここで起きているのか わかっていないようです 「ここへ 刀を 置くゆえ まずは姫の縄を はずされよ」と 是空 忍刀を 床に置いては その下忍のそばへ 滑らせました 下忍 刀を拾うや 姫の縄を切り捨てて 姫を自由にして 「時不知よ 次は 光の珠を出せ それと 姫は交換じゃ」と 真白翁が言い 是空 腰に提げた 袋より 光る珠(二の珠の偽物)を取り出しては頭上へあげて 「姫をこちらへ さすれば この珠を 渡そう」と 下忍 真白翁の視線による 命令に 従って 姫を連れて 是空の前へ進み 姫を渡すや 是空の手から 光る珠を受け取っては すぐに そこを飛んで離れました。 「是空さま かたじけない こんなことになるなんて 」と 頭を下げる 姫をいきなり 是空 手に隠し持っていた小刀で 払い除けて  「是空さま 何をなさいます」と驚きを隠せぬ ヒィラン姫 懐より 何かを取り出して 是空へ切りかかって来ました 「ばぁかめ 姫さまが そんなに私に殺気をぶつけて来るかぁ」と怒鳴り付けるや 「忍法 時淀み 大波ぃ~(おおなみぃ)」と 呪文を唱えて 城全体へ 時淀みを放ちました が しかし 是空のすぐ横にいた ヒィラン姫 が 今度は 玉座近くに座る 妖女 白兎馬 凛へ 向けて 小刀を投げつけようとした その時でした どこからか 一陣の風と共に 一本の矢が そのヒィラン姫のその腕へ突き刺さり うギャー 「誰じゃ わらわに矢を射たのはぁ?」と言うや  なんと ヒィラン姫の姿が崩れて 中からあの 忌まわしき 妖女 白兎馬 凛が現れました 「是空さん やったね」と言ったのは なんと 信次郎少年 彼は どうやってこの鉄壁の城へ潜り込んだのでしょうか? その時 玉座や 真白翁へ無数の石礫が 投げつけられて 敵に降伏したはずの小さなものたちが投げる礫に 
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加