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違った環境に、カフェリアは大はしゃぎをしていた。全くの別人となってしまったようにかなり陽気だ。食卓の大ビジョンにいろいろな映像を流し、オレたちの仕事や、普段の生活をひと通り見てもらった。
その間、オレと兵頭は学友とのコミュニケーションを取った。そして天川の様子が面白いことになっていた。
「クックに惚れたんだな。妥協したのか?」
オレが意地悪く言うと、天川は笑顔のまま目線だけそっぽを向いた。サランは妙な行動の置き土産をしてくれたなと思い、腹を抱えて笑った。
「やっぱり調理ができる御座成君って魅力的だもんっ!」
どうやら妥協ではないようで、結局はオレと思ってクックと付き合うようだ。
「特に性格は入れ込んでいないから、きっとオレ自身に近いだろうな。 …桜井は30番、どうだ?」
「ダメよ、近づけないもの… 30番さん、みんなに常に平等だし… 自分の好みがいても言わないタイプだわ、きっと…」
「そうか。一緒にここで暮らしていけば、弱点も見えるかもしれないな。 …オレの弱点、わかっているだろ?」
「弱点だらけだからね。それはきっと余り関係ないと思う。オレの考えは、顔は悦子さん、心はデヴィラさん。桜井は十分資格があるように思うよ。悪魔らしさを前面に押し出した方がいいんじゃない?」
兵頭がしらぁとした顔で言い放った。オレとしてはかなり気分がよくない。
「ああ、そうしよう。兵頭、ありがとう」
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