功太の犯した罪

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「うん、そうだね。だから、この小宇宙を中心にかなり活気付いたようだよ。それに今のところ悪さをする者がいないので、とってもいい空気が流れているね」  カメーラーのおっとりした言葉に、ほかの創造神たちが大きく頷いた。 「すると、あの殺し屋創造神もやってきそうだな。本格的に悪意を消し去ってやろうか…」 「うん、それもいいね。きっと二度と沸かないか、消え去るだけだろうね」  カメーラーはのんびりと酷い事を言った。だがカメーラーの言うことは間違っていないはずだ。 「功太…」  オレはすぐさま魂を探り、ひとつしかない事を確認した。 「19番、早かったな。もう今はお前だけのようだ。あと数年はかかると思っていたが…」 「オレもその覚悟をしていたのだがな」  19番はオレの隣に座った。 「お前、リライブも持っているんだろ? それを持っているのは今はお前とあとひとりだけしかいないようだぞ」 「やはり、それほどにレアなものだったんだな。死んでも意志の強い者は復活できるという、考えられない荒業だ。だが、成功率は低いだろ? これは能力の方ではなく、術を受けた者の心の強さが重要だからな」 「生還者でオレが知っているのはひとりだけだ。大天使のミノン。今はきっと堕天使訓練場にいる。出来ればお前が鍛えてやって欲しい。まだ50才なのだが、精神年齢は500才を超えているんだ」     
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