16話 敵

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顔を見合わせて、結花に気づかれないように、それぞれ携帯の録音始めた。 「ま、入って入って!そりゃ返事早いよねー!んふ!…Rey潰れちゃうもん。…必死よねー!」 結花、ルンルンでリビングに通してくれた。 「シキ、いつ私のとこに移籍する?早い方がいいよ!婚約までなっちゃてるからさ」 シキさんわざと 「結花、何でそんな俺に執着すんの?…それともReyを潰したいの?」 と、言った。録音バッチリ。 「『シキ』に執着より、私より上行くからReyを潰したいの!Reyからは何もかも奪ってやりたい。…Rey自身の事はよく知らないけどさ、ごめんねー!私は私より上なヤツ嫌いだから!」 ……ナイスな発言ありがとう。あんた、本当に最低。 殴りたいわ。 「……結花、このディスク見て考え直さない?」 「…何?……Reyのライヴとかなんか観ないわよ」 「違うから。とりあえず見て!」 テレビ着けて、訝しい顔して再生した。 『これ、最高…んああ!…またイっちゃうう!!…気持ちいい!…ねえ、強にしてよ。強!!』 ビクンビクンのガクガク。 「えっ?!…何?…コレ?!…なによ!!いつのなのよ!!やめてよ!!…やめてーーっっ!!」 テレビのコンセントごと引き抜いた。 「ちょっと!なんなの!なんなのよっ!!」 「はい。ご存知のとおり結花AVですな。……さて、交換しませんかね?…Reyの資料とさ!!」 シキさん、語尾荒い。怒ってる。そりゃそうか。target潰すとか脅されたりもしたんだよね。 私以上に怒るよね。 「やめてよ!…こんなの、卑怯じゃんか!」 「はて?…Reyを脅して潰そうとしてる人から『卑怯』ねえ。…ならお互いに流し合いして潰れようぜ!…俺とReyはな、路上ででも生きて行けんだ!テメーみたいな『枕』でのし上がった女といっしょにすんじゃねえよ!!」
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