16話 敵

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「やめてよ…私、『可愛い』売りなんだよ…それだけはやめて…」 結花、項垂れた。 知らない。可哀想なんて思わないから。えげつないのあんただし。 「わかったわよ!!…資料渡せばいいんでしょ?!渡すわよ!!」 キャビネットの引き出しから同じ大きさの封筒出してシキさんに投げつけた。 「早く!!これの元をちょうだい!!」 「確かに受け取りました。…が、結花の今まで知ってるから本体は渡さない。…もし、Rey潰そうとしたら流すからな!!」 「……それが本物よ!…お願い!返して!」 土下座になった。 「俺は結花ほど弱い者いじめは趣味じゃねーから、Reyの安全の為に保管ね。……流さねえよ。ただ、2度と関わるな!!わかったな!!」 「………はい。………わかったから、…流さないで、下さい…」 泣き声になった。 「結花さん、シキさんにこれ以上執着しないでね。…2度と私もあなたには会わないつもりだから、お互い様ね」 「行こ、Rey」 「うん」 2人で玄関に向かった。 後ろから小さい声だけど、ハッキリと 「覚えてなさいよ…」 と、言った。 靴履いて、シキさんが出る間際に振り返って言った。 「あ、ここでの会話も全部録音できました。Reyに何かあったら1番に疑われるからね!テメーもちゃんと覚えてろよ!!!」 「…えっ?」 2人で結花のマンションを出た。 部屋に帰って、思いきり伸びした。 「あーーーっ!!スッキリ!!シキさんありがとう!!」 「カズトの変態趣味が役に立ったわ!!」 と、笑った。 「Rey、この資料はシュレッダーにかけような。要らない過去だから」 「うん…本当はね、過去読まれて……嫌われるんじゃないかと、…少し不安になった」 「まあ、『彼女も腰振ってましたよ』は、…な」 「………やっぱり、…引いた?」 「俺に振れ!!うらやましい!!」
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