1話 生い立ち

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だけど誰にも言えない秘密がある。 それによって私は歪んだんだと思う。 中学2年の終わりくらい、大好きだったお兄ちゃんにされたこと。 お兄ちゃんは『貴史』といって、かっこよくて、背も高くて自慢のお兄ちゃんだった。 お兄ちゃん大好きで、お兄ちゃんにベタベタな私は周りから 「ブラコン!ブラコン!」 と、よくからかわれていたが気にしてなかった。 優しくて、かっこよくて、本当に自慢だったから。 何するのも一緒で、一緒に寝るのもお風呂に入るのも当たり前だった。 お兄ちゃんが高校生になって、あまりかまってもらえなくなって寂しかったけど、お風呂と寝るのは一緒で嬉しかった。 中学2年のある日、お父さんとお母さんが親戚の家に泊まりで行ってる時に、お風呂で始まった。 バスタブにお兄ちゃんが入ってて、私が体を洗ってた時。 「麻衣子、お前女らしい体になったよな。胸デカイな」 「どんどん大きくなる。ブラジャー買い替えたよ」 「少し触らせて」 「うん」 なんにも考えてなかった。 泡だらけの私の胸を揉んだり撫でてきた。 「お兄ちゃん、私、頭洗うからね」 頭にシャワーをかけて、濡れた髪の毛にシャンプーを付けて洗い始めた。 お兄ちゃんは前屈みで髪の毛洗ってる私の胸を、後ろからずっと触ってた。 なんだかおかしいと思ったのは、ずっと先端ばかりを弄ってるからだ。 「…お兄ちゃん、ずっとそこ触んないで」 「なんで?」 「……なんか変な感じするから」 「どんな感じ?」 「わかんない。……なんかなんだろ?…むずむずになるの」 「どんなむずむず?」 お兄ちゃん、質問ばかり。 なんて言うのかなんかわかんないよ。
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