898人が本棚に入れています
本棚に追加
くそっ──・・ちくしょおっ・・
迅鵺は、脳と身体が別の感情を持ったように矛盾した気持ちで、脳まで快楽に溺れそうになりながらも必死に理性だけは保とうと抗う。
「その顔、凄くそそるよ・・今にも快楽でどうにかなってしまいそうなのに、それを必死にプライドが塞き止めてる。」
男は、熱っぽい吐息混じりに喋りながら指を引き抜いた。
「んああっ──・・はあっはあっ・・」
快楽の余韻は残ってはいるものの、やっと指が出ていった事にホッとして、乱れてしまった荒い息を整えようと呼吸を繰り返す。
そんな余裕のない迅鵺に向かって、追い討ちをかけるように一度クスッと笑うと男は呟いた。
「迅鵺くん、本番はこれからだよ?指だけでそんなにヨガってしまって・・もしかしたら、君を壊してしまうかもしれない。」
その言葉に、ついに迅鵺は怒りを爆発させた。
「てめえっ!何が目的でこんな事をするんだ!?許さねえ・・てめぇだけは絶対許さねえっ!!」
そう言って、精一杯の気力を振り絞って男に飛び掛かろうとする。
けれど、体に力が入らない上に迅鵺よりも背も体格も大きい男に敵う訳もなく、いとも簡単に押さえ付けられてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!