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「おっ、迅鵺、おはよー。」
「────はよっす。」
いつも通り髪の毛をセットして、黒のスーツに今日はラメが微かに入った黒いTシャツで少しラフに決めて、ストールとアクセサリーでコーディネートされた姿で出勤する迅鵺。
声をかけてきたのは、響弥だった。
「お前がストールしてんの珍しいな。」
迅鵺は、いつもはしないけれど、首に付いた痕を隠す為にストールを巻いていた。
軽く相槌を打ち、少し遠慮がちに口を開く。
「響弥さん、ちょっと話いいっすか?」
いつもと少し違った迅鵺の様子にすぐに気付いた響弥は、回りを見て他に出勤してきているホスト達が居ないスペースを見付けると歩き出した。
「ここでいいか?」
響弥は、煙草を加えたまま誰もいないテーブル席で立ち止まって、迅鵺の返答を伺う。
迅鵺が頷くと、向かい合うようにして二人は座った。
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