第二章

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「───こんなこと話すの、ちょっと恥ずかしいんですけど、実は最近、ストーカーされてるっぽいんすよ・・」  ホストクラブで働いていれば、ストーカーの一つや二つくらい珍しくもない話だ。  現に迅鵺も、今までに何度か経験がある。だけど、相談なんてした事はなかった。  そんな事は響弥だって分かっているし、迅鵺の負けず嫌いで、気が強い性格も知っている。  そんな迅鵺から、よく話に聞くような女の客にストーカーされたくらいの事で相談されるとは思わないのだろう。  響弥は煙草を灰皿に押し付けると、真剣な目線を迅鵺に向けた。  「────何された?お前のことだ、些細なことで相談なんてしねぇだろ。」  やっぱり響弥さんは頼りなる。  迅鵺は、内心そう思いながら少しだけホッと安心した気持ちで頷くと詳細を話した。  あの男の事だけは伏せて。
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