男の指

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映画が終わりロビーに出ると最終上映を待つ客の多さに驚いた 「結構居るもんだな… こんな時間なのに…」 「だって今日は土曜の夜だし コノ映画面白かったでしょ?」 「あぁ面白かった… あの俳優俺好きなんだよ やっぱ良いよあの俳優…」 そんな他愛も無い話にも 嬉しそうに俺をまっすぐ見上げる沙希が愛おしい 付き合う様になって一ヶ月 沙希は俺の勤める会社の契約社員…  バレンタインがきっかけで付き合う様になった 顔を真っ赤にしてチョコレートを差し出す姿がとても可愛かった 入社当時、165の長身でスレンダー 大きな瞳、形の良い唇…  まだ少し幼さの残る女の子だったが 俺は初めて彼女を見た時から 目を逸らす事が出来なかった  <<この子はきっと良い恋をしたら魅力的な女に化けるんだろうなぁ…>> 漠然とそんな事を考えていた それから俺は無意識に彼女の姿を視界の中に探す様になっていた 「コレ本命チョコ?」  そぅ微笑みかけると「…はい」と、恥ずかしそうに震える声で返事をしてくれた
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