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夏日が燦々と照りつける中、時子は川で足を洗っていた。
世の中は、大戦の真っ只中。
日本のあちらこちらで爆撃が行われていて、数え切れないほどの人が人生を終えた。
時子の住む場所は山深く、爆撃が来ることもなければ、命の危険に曝されることもなかったが、大人たちはいつも難しい顔をしている。
まだ五歳にも満たない時子に戦争の話をしても、よく分からないだろうが時子は戦争が嫌いだ。
つい先日、年の離れた兄の一太が兵隊となって時子のもとを去っていった。
いつも遊んでくれる一太のことを時子は大好きだったが、軍服に身を包んだ一太は、帰って来るともまたなとも言わず、時子に「さいなら」とだけ言って消えていった。
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