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リビングに戻り、テレビの前を陣取ってソファに寝転ぶと皿を持った夏希ちゃんがあたしを見下ろしていた。
「なんでズボンとか履かないの」
「……?」
短パン履いて横になり、片膝を立てて寛ぐ。まんま居間で寛ぐオヤジスタイルだ。そんな姿に夏希ちゃんは物を申してくる。
「履いてるじゃん?」
起きながらソファの上で胡座をかいて座ると目の前のテーブルに焼き飯が並んだ。
「あ、ウマイじゃん!」
「まだ食べてもいないくせに?」
「盛り付けみたらわかるって!」
しっかりと茶碗で型どった半球型の焼き飯。彩りもキレイで美味しそう。
とろみスープまで付けるところに思わず惚れてしまいそうだ。
「夏希ちゃん結婚するか」
惚れた勢いでプロポーズしちゃったり。
足元のカーペットに直に座った夏希ちゃんは、焼き飯を頬張りながら結婚を申し込むあたしを笑い、ソファに肘を掛けて頬杖を付いた。
「てか、晶さんも料理するでしょ?」
「……」
「冷蔵庫に手頃な食材きれいに保存してあったし…作る人じゃないとあれはできないよ」
「見るとこ細かいね?」
「いろんな人間見てきてるからね」
そう言いながら夏希ちゃんはあたしの顔に手を伸ばした。
「野生児…」
そう言ってプッと笑うとあたしの顔に付いていたらしいご飯粒を取って自分の口に入れる。
「おまけに無防備…」
そう呟いて意味あり気に見つめる夏希ちゃん。
ん?ちょっと視線が妖しいですが…
何だかその視線が短パンから出た胡座をかくあたしの素足に注がれていた。
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