金曜日の君

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ーーー三秒見つめ合った相手と両思いになれる。 「ふふっ。可愛いおまじないね。」 今日子は微笑んだ。 「結構流行ってるみたいですよ。最近、電車でキョロキョロしてる女子高生多いですし。」 光は嬉しそうに語る。 この手の話題はいくつになっても楽しい。彼女は特に「恋バナ」ってやつが好きそうだなと今日子は思った。 「先輩もやってみたらどうですか?もしかしたら、カレシ出来るかもですよ?」 彼氏のいる優越感からなのか、光の少し上から目線の物言いは少し不快に感じた。ーが、今日子はこのような事くらいで怒るような年齢では無い。 「両思いねぇ。。。」 最後に恋をしたのはいつだろう? 今日子は思い出せなかった。 それは遥か昔のように思えた。 そんな事をぼんやり考えてると、隣の光がコソッと話しかけてきた。 「先輩、今日も来ましたよ。“金曜日の君”が。」
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