契り

18/27
前へ
/27ページ
次へ
深夜2時を回った頃から、体がだるい。恐らく熱もあるだろう。ふしぶしも痛く、風邪をひいたようだ。直樹にその事を伝え、テーブルに突っ伏し少し休ませてもらう。 「そろそろ、行くか」と直樹の声、どれくらい経ったのか、時間の感覚がない。重い頭を上げると、空は明るくなっていた。 スマホしか持っていない俺の分も、直樹が会計を済ませ、ファミレスを出た。重い体を引きずりながら歩くと、アパートが見えてきた。恐怖心はまだあるが、何より横になりたかった。鍵のされてないドアを開け、中に入る。 「悪りぃ直樹、俺ちょっと休んでいいか?」 「ああ、勿論、俺も少し寝かせて貰うよ」 まだ早朝なので、バイト先に人はいないだろうと電話はやめて、休みたいとメールを一本打ち、そのままベッドに倒れ込んだ。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加