契り

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ひとりになる不安はあったが、やはり、明るさは恐怖心を和らげる。 直樹が出て行き独りになり、眠ろうと努めるが、つい先程まで寝ていたので寝付けない。何度か寝返りを繰り返した後、尿意を感じた。そう言えばしばらくトイレに行ってなかった。ふらつく体を慎重に進め、階段を降りる。小便を済ませ、ついでに汗をかいた服を着替えた。 階段を上がるのがしんどく、手をつきながら四つ足で登る、四つん這いで寝室に着き、ベッドに向かう。苦労してたどり着いたベッドに腰掛け、テーブルの水を取ろうと、ふと隣の和室に目がいった。 「......なん......で?」カーテンを閉めてはいるが、充分明るい和室にそれはいた。
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