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最寄り駅に着き改札を抜けK町に向かう。駅から少し歩くと商店街があり、わりと賑わっている様子。商店街を抜け右に曲がり、しばらく歩くと大きな神社が見えてきた。地図を確認すると神社と反対側の歩道を少し行った所にそのアパートはあった。
外観はグレーでメゾネットタイプのアパート。部屋数は4つで、俺の部屋は向かって一番左の101号、例の部屋だ。築三年だけあってまだ綺麗な外観を保っている。
「おいおい、なんか良い感じじゃないか?」何故か残念そうに直樹が言う。
「俺的にはツタとか壁にわさわさっと絡み着いてて、おどろおどろしい感じが──」
直樹を無視して預かった鍵で早速ドアを開ける。玄関に入ると、正面に2階に上がる階段が見える。三和土を上がり、左のドアを開けると六畳の洋室、中に入り左手、アパートの正面になる部分に、小さいながらテラスがあり、右手には五畳程の、ダイニングキッチン、風呂、トイレがある。風呂とトイレ別は俺の中で高得点。
とりあえず、換気のため部屋中の窓を開けていく、階段で二階に上がるとすぐにドアがあり、開けると五.五畳の洋室、左手にある間仕切り扉を開けると六畳の和室、奥にベランダ、両方の部屋に一畳位の押し入れがある。
全部の窓を開けてから畳に座り込み、そのまま大の字に寝転がる。畳の匂いがする。たまに嗅ぐと妙に落ち着く。
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