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「でっ! どうだった?」せっつく直樹をまあ待てと、片手で制す。ゴクッゴクッとのどを豪快にならし一気に空ける。
「かぁ~ 旨いっ! 死んでもいい!」
(死んでしまえ)ボソッと呟く直樹の声を、俺は聞き逃さない。
今日は、第1回調査報告会。あのアパートに住んで五日が過ぎた。目を輝かしている直樹を見ているのも心苦しいので、単刀直入に言う。
「──結果から、言うぞ」息を飲む直樹。
「幽霊は見ていない、呪われた実感もない」露骨に嫌な顔をする直樹。
「──くそぅ、......くそー!」そう言うと、ジョッキを持ち上げ一気に煽る。
だが、まだ話は終わっていない、「でもな、──」俺がそう言うと直樹は片手で待てと、俺を制す。これは、やられると結構ムカつく。
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