第二話:「女が絡むと不便」な話 

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第二話:「女が絡むと不便」な話 

1.手術  歳を取ると、「便利」な夢と「不便」な夢の二つを見る。先ず便利な一つ目:  六十七を過ぎて眼がかすみ出したので、危機感を募らせて病院の眼科へ行った。運悪く品の悪い中年の女医に当たり、「貴方は・ど近眼な上に・白内障でございます」と言われた。口が悪いのか丁寧なのか、判別に迷った。  これを真に受け、最近両眼に白内障の手術を受けた。目玉をくり抜く時に、ポンと陽気な音でもするかと思っていたが、あにはからんや期待通りには行かず、無音で愛想無し。こうして、古池みたいに濁った目を、透明なアクリル樹脂に入替えた。  澄み切って良く見えるようになった。口は悪いが、手術の手が上手だった女医によれば、これで両眼は死ぬまで、いや、正確に言えば、当人の「寿命より長持ち」する事になった。これからは何を見ようかと、楽しみにしている。
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