不釣り合いな恋愛

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不釣り合いな恋愛

 *  大学時代の相原瑠美は、近寄りがたいものがあった。優等生タイプというのか、真面目で曲がったことが嫌い。  見た目は清楚で綺麗なのに、几帳面なその性格が勿体ないと思うほどだ。  そんな瑠美に彼氏が出来たのは、入学して半年ほど経った頃。 『なあ、教科書見せてくれない?』  彼女に臆することなく話しかけてきたのが彼。  講義を受ける際、無遠慮に隣に座ってきた。 『授業を受けに来て忘れたのですか?』 『まあ、そう怒らないでよ』 『あきれているだけです』  茶髪で屈託の無い笑顔。両耳にピアスをして、長い指には指輪。腰にはキーチェーンをジャラジャラいわせている。  どう見ても瑠美とは不釣り合い。 『見せてくれんの? くれないの?』 『……今日だけよ』  だからこそ瑠美は彼に惹かれたのだった。
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