新生児教材人形

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篠原舞は覚悟を──決めた。  土曜のお誕生日会で話し合ってみよう。 やっぱり、死んだ人をいるものとして扱うということは、故人が浮かばれないのではないかと思う。 何よりも今を生きる者が前に進んでいない──。  最初は私もそれで気持ちが楽になるのであれば、決して悪いことではないと思っていた。 それでもやはり今は、現実を直視し、少しずつでも前に進んで行ってほしいと切に思う。 お誕生日会の当日、舞は義理の兄、慎司の自宅玄関前でゆっくりと深呼吸をしていた。  わたしが余計な事を言って更に傷が深くなるのではないか、安定している心が乱されるのでは、慎司さんにとって最善なのか? そんな思いが覚悟を決めたあの日から、ずっと頭を悩ませた。  だけど──このままではダメだと自分を信じて勇気を出し、チャイムを押した。
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