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全ては、俺が手に入れた一軒家、そこに押しかけてきた知人の一言で始まった。
「あ、やべ。写真撮り忘れた」
それは独り言か、それとも俺に話し掛けてんのか。いや、話し掛けるなら、聞いてほしい相手の方を向け。向かねばスルーだ。
「祓う前に、あの荒ぶりを記録しときゃ良かったわー」
どこぞのミサワみたいな言い方すんな。余計にウザい。
「そうすりゃ、居たのも証明出来たってのに」
独り言なげぇなコイツ。と言うか、やっぱり話し掛けてきているのか? まあ、面倒だから無視するけどな。焼きたてトーストにたっぷりのバター。栄養的には偏っていそうな朝食、これが実に旨い。そして、バターをたっぷり乗せたおかげで、気を抜くとあちこちがベタベタになる。
トースト、熱々の目玉焼きを乗せるのも良いし、それが簡単に実現できるトースターも発売されている。我ながら子供じみていると思うが、こんがり焼けたトーストが飛び出してくる。そんな光景が楽しみなのだ。
6枚切りの食パンを差し込み、スイッチを入れて待つ。すると、金属がぶつかり合う甲高い音と共に、美味しそうなトーストが飛び出すのだ。毎日食べる訳でも無いのが手伝って、これは何度見ても飽きない。
そうこうしている内に朝食を食べ終え、食後の珈琲へ移行する。豆と水さえ入れれば後は勝手にやってくれるマシンに、食べる前から仕込んでおいた。そう、食後に淹れたて珈琲を飲む為に。
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