ー第1章ーガラル地方へー

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ユマが躊躇する理由もわからなくはない。 就任して以来初めて会うが、目のクマが酷く、目つきも大分悪くなっており、何故かケンヤのような黒縁メガネまでかけ始めていた。 メガネは本人曰く目つき悪くなってると指摘を受けたので少しでもマイルドにする為らしい。(全くなってないというツッコミをしてはいけない) 「疲れすぎてない!?あと一つ聞きたいんだけどなんで場所指定此処なの?」 「ここん所休みなしで働いてるんだよ。主にやつの残した書類整理だけど。場所を此処にしたのは議題が議題でね。此処なら防音だし、入口に関係者以外立ち入り禁止の紙貼ってるから安全だ。 皆も何となく察しはついてるだろうけど…「チャンピオン会議中失礼いたします。お茶をお持ちいたしました。」 扉の外から第三者の声が聞こえた。アキトが少し間を置いて「どうぞ。」と言うとゆっくり扉が開き一人の女性が入って来た。長い黒髪に赤いメッシュの入った髪に 露出の高い服を着た美女。ユマは「あ。」と声をあげた。 「関係者以外立ち入り禁止とは書かれていましたがチャンピオンの大事なお客様にお茶をお出ししないのはどうかと思ったので。」 「…ど、どうも。」 「では、失礼いたします。ごゆっくり…。」 「今の人って新しい四天王の人だよね?」 「ユマちゃんなら知ってるだろ、キクノさんの後釜の毒使いのリリィ。就任3日でファンクラブが出来た大人気四天王よ。あの見た目だけど気も利くし 対応もいいから今や人気№1。おまけにオーナー様のお気に入りよ。シロナさんから乗り換えまであるぜ、あれ。」 「あのシロナさんの熱狂的なファンで結婚まで迫ってたという噂のオーナーね。コルサが初日ですげー嫌な顔されたって愚痴ってたの思い出したわ」 「コルサは普通にいい人とは言ってたけど俺は正直…だな。あいつ前気になる事言ってたんだ」 「何だよ。」
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