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「俺は小学生じゃねえ」
食事をする気にもなれず部屋に引っ込もうと立ち上がったところを、後ろから和巳に抱きしめられた。
決して小さくない棗が簡単に繋ぎとめられてしまうほど、体格差があるという事実にドキリとする。
「ち、違うぞ! 別に小学生扱いしたわけじゃない! ほんと、ほんとだから!」
焦った声でごめんと謝られ、気が抜ける。
どうして怒られたのか、ようやくわかったらしい。
はあ、と大きく溜息をこぼしてから、棗は振り返った。
密着した部分から和巳の体温が伝わってきて、これだよ、俺が欲しいのは、と強く思う。
「なあ俺のこと大人に見えてんの、ちゃんと」
そっと腕を伸ばして和巳の首の後ろに回すと、見つめ合った瞳の中にじんわりと熱が灯った。
ああよかった。まだ大丈夫だ。
「見えてるし、パートナーとして愛してるつもりだけど……」
「けど?」
首を傾げると、和巳が「くう」と唸る。
意味がわからず眉を顰めたら、和巳に思い切り抱き寄せられた。
「お前が可愛いのが悪い。可愛くて可愛くて、愛でるのくらい許してほしいし、理解されたい!」
「だからそれが子供扱いだって言ってんだろ。こんなデカイのが可愛いわけないだろが」
下から覗き込むように顎をしゃくって威嚇すると、尖った唇の先を「ちゅ」と柔らかく啄まれた。
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