まさかの夢

6/20
前へ
/20ページ
次へ
「来月、八月十日の二十一時四分に、おれはあいつに刺される。夢ではっきりとわからなかったけど、道具は包丁のようなものじゃなくて、サバイバルナイフのような刃物だった。刺されたのは腹のあたりだった」 「バカ言うな」  こいつマジで正夢になると信じてる、罪悪感で頭がどうかしちゃってる、遼哉はそう思い呆れた。  龍が口を開く。 「信じられないのもむりはない。おれだってただ夢を見ただけなら、気にもせずに忘れてただろう。でも、先週の日曜に、占い師に予言されてたんだ。近いうちに、おれの頭に爆弾が落ちることになるって」  占い師、爆弾? 話が支離滅裂になっている。  しかしそうではなかった。一応筋の通った話だったのだ。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加