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*出会えてよかった*side 竜憧 柊
***
チルから連絡があったとき、何かの間違いだと思った。
いや、間違いであってくれと願った。
警察の罠がどうとかそんなことじゃなく、
千歳がオレたちのアジトに来てるなんて、
信じられない!
だが、慌てて駆けつけたアジトに本当に千歳はいた。しかも制服で!(しかも小海と!)
何考えてんだ!?
いまが何時で、ここがどこか分かってんのか!?
もし今警察が踏み込んできたら、ここにいる理由をなんて言い訳するつもりだ!?
千歳は何も分かってない。
自分がどれほど危ない橋を渡っているのか。
「私には心配する権利ないわけ!?」
でも、気の強い瞳に、
涙をいっぱい溜めてそう言われたとき、
嬉しかった。
本当は、すごく嬉しかったんだ、
千歳を見た瞬間、腕のなかに抱きしめたかった。
オレを心配してくれたと知って、嬉しかった。
こんなオレのために、
この世で一番嫌いな暴走族のたまり場にきてくれたんだから。
嬉しかった。嬉しかった。
でも、そのぶん怖かった。
千歳を闇の世界に、
引きずり込んでしまいそうで。
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