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「……オレの気持ち?」
「そう!」
「えっと……」
となりの家の屋根から朝日が射した。
世界が一瞬で明るくなり、
千歳の柔らかな髪がきらきら輝いた。
「分からない?
私が竜憧くんになんて言って欲しいか分からない?」
「……ご、こめ」
またごめんを繰り返しそうになったけど、
慌てて喉に押し込む。
「それでほんとに私が好きなのッ!?」
「……大好き……です」
「なのに私の気持ち分からないの!」
千歳の頬は熱があるのかってくらい真っ赤だ。
今まで見た千歳のなかで、一番可愛い。
どうしようもなく、抱きしめたい。
「……好きならわかるでしょ…………
私の気持ち、かわるでしょ……!」
「……ちとせ……もしかして……」
不安そうに震える声、
まっすぐオレを見つめる瞳、
赤く染まった頬、
千歳のすべてがオレを好きって叫んでる。
なんですぐ気づかなかったんだろう、
千歳の伝えたいこと。
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