*出会えてよかった*side 竜憧 柊

8/13
1042人が本棚に入れています
本棚に追加
/540ページ
*** 千歳とふたりで校門付近までさしかかったとき、 学校に向かう生徒のなかに、 見覚えのある後ろ姿を見つけた。 「……あ」 先に気づいた千歳が走り出す。 「おはよう」 千歳の声に振り返ったのは乃愛だ。 無遠慮な目線で、 オレと千歳を交互に見つめて一言、 「朝から手繋ぎで登校? 浮かれてんね」 「「……繋いでないよ!?」」 千歳とほぼ同時に真っ赤になった。 「どうでもいいけど」 「あ、待って!」 素っ気ない態度で歩き出そうとした乃愛を千歳が止める。 「あの話、 教えてくれてありがと」 「…………なんのこと? なんの話かさっぱり分からないけど?」
/540ページ

最初のコメントを投稿しよう!