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千歳とふたりで校門付近までさしかかったとき、
学校に向かう生徒のなかに、
見覚えのある後ろ姿を見つけた。
「……あ」
先に気づいた千歳が走り出す。
「おはよう」
千歳の声に振り返ったのは乃愛だ。
無遠慮な目線で、
オレと千歳を交互に見つめて一言、
「朝から手繋ぎで登校?
浮かれてんね」
「「……繋いでないよ!?」」
千歳とほぼ同時に真っ赤になった。
「どうでもいいけど」
「あ、待って!」
素っ気ない態度で歩き出そうとした乃愛を千歳が止める。
「あの話、
教えてくれてありがと」
「…………なんのこと?
なんの話かさっぱり分からないけど?」
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