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「コタ…可愛」
更に深く口付けながらフサフサした尻尾に触れると狐太朗の身体がビクリと跳ね俺の腕に爪を立てぎゅうっと強く掴んだ。
「…痛ッ」
「…っ、ぷはぁ…っ!馬鹿者っ…息が、出来ぬではないか…!」
ハァハァと呼吸を乱しながら抗議する狐太朗。
「…あぁ、ごめん」
「む、まぁ良い……許す」
許してくれるのはいいんだが……
頬を紅潮させ、濡れた唇を半開きにし、更に潤んだ瞳で上目遣いに見つめてくる狐太朗が扇情的すぎて、掴まれた腕よりも股間が痛い…。
「む?お主、腕から血が出ておるぞ」
見れば軽く血が滲んでいた。
「お前がやったんだろ」
「ん、むぅ……済まぬ」
申し訳なさそうに垂れる狐耳。
「お主が強引な接吻をするから悪いのじゃ」
いや、求めたのはそっちですが?と訴えたかったが、俺もつい夢中になってしまったし、恥ずかし気に言う狐太朗が可愛かったので俺が悪いコトにしておく。
「いいけど、これ位。唾でも付けときゃ治るし」
「そうじゃな」
そう言って狐太朗は俺の腕を掴み傷口に口唇を寄せた。
「え、ちょ、狐太朗?」
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