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プロローグ
今から遡ること数十年前。
ある少女の家の前に一人の青年が空腹で倒れていた。
よく見ると青年の頭には狐の耳が、尻にはフサフサとした狐の尻尾が生えていた。
少女は彼を狐の神様か何かと勘違いし手厚く介抱したところ非常に懐かれてしまう。
少女は狐に何故家の前に倒れていたのか尋ねた。どうやら狐は嫁を探しに山を下りて来たらしい。
狐は少女に嫁に来ないかと問うが、
『ごめんなさい。私はもう人妻なので』
と、あっさり断られた。すると少女は、
『私が子を産んだら、その子を貴方のお嫁さんにしてあげるわ』
と約束した。
そして、十数年後。
約束通りその子供を嫁に貰おうと彼女の家を訪ねたが…
『あたしのおムコさんは、もう決まってるの♪』
と、これまたあっさり断られた。すると少女は、
『あたしが産んだ子がハタチになっても結婚しなかったら狐ちゃんのお嫁さんにしてあげるね☆』
と約束した。
そして十数年後。
狐は再び彼女の家を訪ねた。
しかし次に産まれて来た子は女の子ではなく男の子…。
だが狐は、そんな事はお構い無しに彼を嫁に貰いに参上するのだった。
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