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「九郎、我と“きす”するか?」
「突然何ですか?」
「先程、九乃が亭主と接吻している所を目撃してな。何やら激し――」
「やめろっ、親のそんな話聞きたくねぇ。」
知りたくもない。なんつーコト聞かせんだ、この狐は。
「それでのぅ、何かこう…言い様のない好奇心の様なわくわく感に襲われてのぅ」
「確実に好奇心だ、それは。」
大方、人のキスシーンを見て自分もしてみたくなったんだろう。
にしても、珍しく そわそわと落ち着きがない狐太朗。
…可愛い。尻尾モフりたい。
「どうじゃ?我と試してみぬか?」
「……え?」
「お主がどうしてもと言うのであれば構わぬぞ」
いや、試したいのは狐太朗の方だろ。そうツッコミそうになったが、なんとなく恥じらって見えて可愛かったし、折角の機会なので俺は大人しく頷いた。
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