◆誘う狐

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「そうだな…うん。…じゃあ、試してみるか」 顔を近付けながら確認する。 「ホントに良いんだな?」 「良い。我が許す」 「それじゃあ…」 俺は狐太朗の小さな口唇に軽くキスをした。 一瞬だったが、狐太朗の口唇はとても柔らかかった。 「……どう?」 「うむ。もう一度じゃ」 言われるがままに再度同様にキスをする。 「もう一度!」 何だろう、気に入ってくれたのだろうか?それにしては不機嫌そうな表情をしているが…。 「何なんじゃ、お主は」 「…はい?」 「そんな子供の口付けなど求めておらぬ。もっと激しいのをせぬか!」 「大人のキスですか?」 「そうじゃ、濃厚な接吻じゃ」 「…まぁ、そこまで言うなら」 俺は狐太朗を抱え自分の膝の上に乗せた。 「この体勢は何じゃ?」 「この方がキスし易いと思って」 序でにモフれるし。 「うむ、確かにそうじゃな。許すぞ」 にこ、と笑む勝ち気な瞳が俺を見据える。 ――あー、可愛いなぁ。 →
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