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――――それは、罪である。
端的ながら重々しい声が、地にひざをつき、ぼうぜんとしたままの彼女の心を、撃つ。
――――罪である。
――――罪である。
――――罪である。
はじめの声に続き、周囲からはまるで宣告のごとく、声が響く。そのひとつひとつが、絶望する彼女の心も、身体すらも、まるで縛鎖のように絡みとっていく。
――――罪には、罰を。
はじめの声が、なおのこと重々しい声で言う。それに対し、彼女はなにも答えることができない。
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