第四話

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そんなことがあっただなんて、何も知らなかった。 「一部の営業部の社員と上の人間しか知らない話さ。いわゆる箝口令ってやつだね。こんな交換条件が交わされたなんて知ったら他の社員に示しがつかないから」 どおりで何も耳に入ってこなかったのか。 「今週はずっと大阪に行ってる。今日こっちに帰ってくるから2人でちゃんと話し合いな。明日は土曜日。クリスマスイブだ」 言い終わると同時に個室の扉が開かれた。 「ちょっと、なにしてるんすか、保坂さん」 現れたのは、話の中心人物である沢木海透だった。
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