第四話

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海透から出てくる言葉は、寒いのに関わらずわたしの顔を少しずつ赤くするものばかり。 「ついて来て欲しいとは言わない。俺が東京に帰るから。待っててほしいとは言わない。何年かかるか分からないから」 私たちの住む街には、1つの伝説がある。 「でもアイが東京で俺のこと応援してくれて、一緒に同じ方向を向いて生きてくれるなら俺は大阪で頑張れる」 何十年も前に、街の中心に美術館を作った人の奥さんの誕生日が12月24日で、毎年祝うためにクリスマスイブに一度だけ鳴らす鐘を設計した。
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