番外編 海透サイド

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ふと、隣の家を見上げる。 もうしばらく二階のカーテンはあけられていない。 「また朝帰りか」 玄関で新聞を取りに来た父親と出くわした。 「大学はちゃんと行ってるのか」 父親を無視して家に入る。 「お前、将来のこと考えているのか」 「うっせーな」 将来のことなんてどうでもいい。 やりたいことも夢なんてもうない。 目標なんてない。 父親から逃げるように、二階の自分の部屋に入った。
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