プロローグ

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なんで私は女の子なの? 力じゃ二人には敵わなくなった。 手合わせの時だって、それを理解した上で機動力をフルに活かした剣道でなくては大やコウには通用しない。 …本当に悔しい。 最近は度々、私だけぽつんと置いて行かれた焦燥(しょうそう)感に駆られてしまう。 そして、最後には私は女だということを思い知らされるんだ。 だけど、私はそれを認めて女らしくは決してしない。 なぜなら、私が女の子をしてしまうと大とコウと今まで通りに接することが出来なくなる気がするんだ。 …それだけは絶対に嫌だ。 そして、私は今まで通りの私のままで、二人と一緒に地元にある新選(しんせん)高校に進学した。 何の不安も抱かずに… これからだって、今まで通りに幼馴染みの三人でいられると私は信じて疑わない。 …だけど、三人の中で私だけが女だと気付いてしまったのは私だけではなかったことに(のち)に思い知らされてしまう。
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