高校一年 春 (1)

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相変わらず五月蝿(うるさ)い目覚まし時計で目を覚ます。 時間を合わせたのが自分自身にも関わらず、アラームが鳴ると煩わしくて仕方がない。 だから、たまにぶっ壊しては婆ちゃんに叱られてしまう。 今日はなんとか二回目のアラームで起きることが出来た私はバタバタと荒い足音を立てながら階段を下りていった。 「おはよう!爺ちゃん!」 そして、居間に顔を出してテレビの前に新聞を持って座る爺ちゃんに挨拶をする。 「おう、おはようさん。…相変わらず五月蝿いのう…お前は女の子なんじゃからもうちょい静かに起きてこられんもんか?」 爺ちゃんが顔だけをこちらに向けながら呆れたような口調で訊いてくる。 「あっ、爺ちゃんそれ禁句!次、言ったらしばらく口聞かないからね!」 爺ちゃんの失言に苛立ちながら居間をすり抜けて、キッチンへと向かう。 「おはよう婆ちゃん。ついでにおはよう(かず)兄」 キッチンの食卓に座って朝食を食べていた婆ちゃんと和兄に挨拶をする。 「おい、ついでには余計だ。相変わらず可愛げがねぇ妹だな…」
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