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彼女は指で作ったバツを頭の上で掲げた。
「バツって…申し訳ないけど僕、君と会ったことないと思うよ!」
彼女の人を少しバカにしたような態度に少しムッとして答えると、彼女はキョトンとして指を下ろした。
「……うん、そうだよね、うん…」
彼女が少し寂しそうにうつむくので、僕は慌てて言葉を繋げる。
「ま、まあ!もう少し考える時間があったら分かるかも…ほんとに失礼だけど、もう少しヒントをくれないかな?…それに、どうして君が僕の名前を知っているのかも知りたいしさ。」
彼女はコクリと頷くと、また僅かに笑った。
「…ほんとに秋くんらしい。こんな感じだったんだね。」
「えっ?」
「ううん、こっちのはなし。えっと、そうだなー、ちょっと事情があってあまり話すことができないんだけど…まあ、いっかもう時間もないし言っちゃおうかな。」
「…時間がない?」
彼女は、どこかに行くのか?
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