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「秋くんにであった私は恋をしました。恋の始まりです。」
「こ、恋!?」
「うん。…最後のヒントはまだ続きます。恋をはじめた私は初めて男の子と手を繋ぎました。秋くんといろんなところにでかけました、たくさん抱きしめてもらいました、そして秋くんは私に優しくキスをしてくれました。」
なーちゃんはそこまで言うと、少し口ごもる。
少し耳が赤いように見えたが、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに話す様子を見て、僕はただ口をつぐんでいた。
「秋くんと恋を始めて数年たったある日、あなたは私に白いドレスを着させてくれました。白いレースに、控えめにパールとフリルのついたドレスを着た私を見て、あなたは何故か得意げに笑っていました。どうしてどや顔してるの?って聞いたらあなたは、“天使がいる”だって。」
ふふっと彼女は笑う。
「…あれ、秋くん泣いてるの?」
「……え。」
今、泣いてることに気づいた。
「何でだろ、僕高校生だし。まだ、誰とも付き合ったことなんかないのに…君の話を聞いてたら、何だか切なくなってしまって……」
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