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「予算が50万しかないからね。通ってる大学とか、つき合ってる女の情報、探れないかな?
二時間後、こっちからかけるよ」
一方的に話して、抱き枕に顔を埋めた。
ドリンクの効果が薄れ、ようやく夢路に付こうという所で、スマホの目覚まし機能が鳴った。
「ふぁい、田口。どうだった?」
「思った以上に悪党でしたぜ」
スマホ越しでも憤怒が聴こえてくる。
大学は超一流とは言えないまでも、有名どころだった。
真面目に勉強していれば就職に困ることは無いだろう。
素行は最悪だ。振られた一人は相当貢がされていたのだろう。ブラック金融に手を染め、借金苦の余り自殺している。
組が資金源としている泡風呂に堕ちていった女もいる。
今回はその風俗嬢からの情報が功を奏した。
裏の情報網を甘く見ない方がいい。
「田口、今矢野の傍にいる若い奴と連絡取れる?」
「駅前のキャッチが見かけたそうです。今、替わります」
電話が切れ、即座に誠(マコト)から連絡が入る。
「お嬢様お久しぶりです。大体の経緯はタブレットで見ました」
とろけるような甘い声。ルックスも決まっているのだろう。ホスト歴3年、ナンバー1獲得連続5期は伊達ではない。
「マコト、ありがと。そこから矢野が見える?」
「見えます。繁華街をぶらついて、ん、今質屋に入りました。時計を売るみたいですね」
頭脳を振り絞れ、エリカ!
自分を鼓舞して作戦を考える。
「マコト、その辺にいる半グレを2~3人集めてくれ。囲んで画像消去と泡姫の救出だけ頼んで。
絶対にこっちから手を出すなよ!」
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