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「えー!そこは神サマのありがたーいオジヒとかで許してくれるもんじゃないの?!」
《 馬鹿者。筋が通らん者に与える慈悲などない。・・・だが、お前に免じて罰は与えん 》
「マジで?!やった!!」
《 ただし、条件がある 》
バンザイをしかけた快晴は、条件という言葉に首を傾げる。
男は碧い瞳をスッと細めると、ニヤリと口を歪めた。
《 私もお前達についていくぞ 」
「?!」
言葉の途中から、信じられない事に男の髪があっという間に短くなり、光を放つように見えていた碧い瞳も普通の瞳になり、格好も着流しから快晴の服装と同じ物へと変化していった。
「うわ!超変身?!ってか、なんで俺とオソロ?」
「お前を真似してみただけだが・・・合わないか?」
「いや、かっちょいいけど・・・オソロはちょっとなー」
「ふむ。ならば代わりの服を提案しろ」
「って、ホントに着いてくるつもりなんだ?祠はどうすんの?」
「ついていくと言っただろう。祠はもういらん。此処は飽きたしな。・・・あぁ、憑代は持っていかなくてはなんな」
声まで不思議な響きを持ったものから、普通のバリトンボイスに変化した男はさっさと祠の屋根を外すと中の錆びた塊を取り出す。
その後ろ姿に、快晴は困ったように頭をかく。
一度言い出したら聞かない幼馴染と同じ感覚がこの男からする気がしたのだ。
「・・・ま、いっか。罰が無しになんなら」
快晴はもとより楽天的であったのでさっさと思考を放棄すると、男に似合いそうな服をスマホで検索するのであった。
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