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「ユキちゃん、こちら登山道で迷子になってた守さん!おっさん、これが噂のユキトくんデスヨー!」 「さっきは驚かしてすまんな。マモルだ、よろしく頼む」 「おっさん急に話しかけるのは良くないぜ?俺でもちょっとビビったもん。まさかあんなとこで“マイゴ”になってるヤツがいるなんて思わないじゃん?」 「そうか。では、これからは気をつけるとしよう」 おどけて紹介する快晴と、薄っすらと笑顔を顔に貼り付けた守を交互に見やり、ユキトは固まった体から力を抜く。 「あ・・・えっと、ユキトです。さっきは勘違いして逃げてしまったようで・・スミマセン」 「勘違い・・・か」 「なー、ユキちゃんてば早とちりさんなんだからー!な!“守”!!」 「フッ・・・・あの場所は暗かったからな、仕方あるまい。私も勘違いさせて済まなかったな」 「いえ!」 一瞬怪しく笑った守の肩を叩き快晴が上手く舵取りすると、ユキトは気づかずに恥ずかしそうに笑った。 「んじゃ、街まで戻ろうぜ!守と色々話したいし、守も迷子になってたから腹減っただろ?どっかでメシでもしよーぜ!」 さっさと自分のバイクに跨って言う快晴に、ユキトはハッとして首を横に振る。 その姿に快晴の後ろに跨ろうとしていた守は、器用に片眉を上げて首を傾げる。 「ダメだ・・・まだ戻れない。ごめん、快晴、守さん。俺登山道に戻らなくちゃ。祠をあのままにはしとけないよ」 しょんぼりと肩を落とし罪悪感に再び苛まれるユキトの姿に、快晴と守は互いに顔を見合わせる。 (な?言ったとおりだろ?見ろよ、罪悪感でいっぱーいな顔) (うむ。確かにちゃんと反省しているようだな)
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