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さっさと出かける準備をして部屋を出ると、雑居ビルの裏へと向かう。 そこには、黒とシルバーの2台の大型バイク。 黒いフルフェイスを被ると、快晴が機嫌良さげに黒い方のバイクへと跨った。 ユキトも隣のシルバーのバイクへと跨ると、2人は同時にエンジンをかける。 広くは無い裏路地に爆音が響き渡り、ユキトと快晴はフルフェイス越しにニヤリと笑い合う。 それぞれが大学時代からバイトでコツコツと貯金して大枚叩いて購入した愛車だ。 エンジンに火が入るだけで、ゾクゾクとワクワクとテンションが上がるようだった。 「よっしゃ!目的地はミューズ公園な!俺が先導!はぐれんなよ!」 「はぐれるか!トロトロ走ってたら追い抜くからな!」 爆音に負けないように大声で話しながら、スロットルを回してグンッと力強く発進する。 路地を抜け、その先の大通りも颯爽と走り抜ける。 30分も走れば街も抜けて他の車も少なくなる。そうしたら、もっと勢い良く走れる。 あとはあっという間に開放感あふれる緑の山々。 目的地に続くツーリングに最適な峠道を走りながら、ユキトも快晴も楽しくて仕方ない気分になっていた。 「な!キブンテンカン、最高だろ!」 「ああ!ありがとう快晴!」 木々の鮮やかな緑に癒されながら、峠道を走り抜けていく2人。 何度か来たことのある道に油断があったのかもしれない。 次のカーブに差し掛かった瞬間、 ユキトのバイクのタイヤがスリップした。 「ッ?!」 「ユキト!!?」 ハンドルを切り立て直そうとするが、既にバランスの崩れた重い車体と出ていたスピードに堪えきれず・・・転倒。 ユキトは、そのままバイクと共に斜面の下へと落下していった。 「ユキトーーー!!!」
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