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「…ハァ?」
生贄をささげる祭壇がある屋外。そこで小石マナブはその美貌…と言っても過言ではない顔にある口を開いた。
―――黒髪で中肉中背。黒曜石の様な瞳の持ち主で勘違いや自己陶酔好きなマナブは鈍感な現代人。
少し前、召喚師に召喚され召喚師などに「勇者様っ」と言われもてはやされ始めたマナブはその顔を綻ばせた。
それから召喚師の仲間に勇者様ようの服があるので着ていただけませんか?と言われたマナブはいいよと言い召喚師の仲間に服がある場所に案内され始めた。
古い日本家屋の様な廊下。そこを歩いているマナブは世間知らずのボンボン。これから自分が生贄にされるとは夢にも思っていないマナブは刹那、白い着物の様な服を見その口を開いた。
「あれ?」
「その通りです~」召喚師の仲間はそう言うとその顔を綻ばせた。
ああ異世界人バカで良かった…。
その時そう思った召喚師の仲間は数日前、村の畑にいた。
地面がひび割れている。そこで召喚師の仲間は「このままじゃこのままじゃみんな死んでしまう…」と言い頭を抱えた。
それから召喚師の仲間は自分や家族、同じ村の人々を救う方法を考え始めた。
ほどなくして生贄を捧げる事を思いついた召喚師の仲間は考えを同じ村の人々に話した。
「生贄か…」「しょうがないな」召喚師の仲間の考えに賛同した者達はそう言い誰を生贄にするか?話し合いを始めた。
「…あの婆さんは?」
「ダメだよ、あの人この間病気で息子さん無くされたばかりだし…」
「じゃあ村はずれに住んでる爺さんは?」
「あの人この間、事故で孫や娘さん亡くしたばっかだから…」
「それなら…」
生贄を誰にするか?と言う話し合いは難航し召喚師の仲間は同じ村の人や家族を生贄にしたくないと心底思っていた。
結局その日、誰を生贄にするか?と言う事は決まらなかった。
…なんとか、なんとかしないと…。
翌朝。食糧庫の中を見た召喚師の仲間はそう思い身内や同じ村の人を生贄にせずに村を救う方法を考え始めた。
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