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この時、すでに彩実は焼酎をロックで飲んでいた。色白どころか茹でダコのような顔色だったに違いない。
「とにかく決まりね」
半ば強引に答えを引き出したヴィーナス・美朗の一言で、勧められるままに『女神認定サイト』に登録し、占い料金の二千円ポッキリで生ビール中ジョッキ二杯と焼酎ロック五杯を飲んで帰宅した……のだと思う。記憶が間違いでないのなら。
*
「『正式に女神に登録』って……」
『男受けするヘアスタイル』だの『愛されメイク』だの『垢抜けファッション』だのといった情報を、メルマガ形式で定期的に配信するサイトに登録したってだけことに違いない。慣れた手つきで、さらに彩実はメールの内容を適当にスクロールしていく。
「長っ」
あまりの長文に最後まで読みきることを諦め、画面を伏せる。二度寝の態勢に入りながら目を閉じると、ヴィーナス・美朗の揺れる金髪縦ロールがまぶたの裏にチラついた。
━━ところで、占ってもらったっけ?
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