第二章 初デート

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第二章 初デート

 美樹子は、翔馬からデートに誘われる。場所はアイドルのライブ。周りは20代の男の子が多く、圧倒された。周囲は立ち上がり一斉に右手を高く上げた。勿論、隣の翔馬も踊っていた。美樹子も仕方なく、真似をした。  ライブ会場を出た二人は、近くのファミレスで夕飯を食べる。 「今日は楽しかったわ、ところでさっきのアイドルグループはなんて名前なの?」 「知らないんですか? 彼女たちの名前はKWI かわいい」 「ふーん、テレビ観ないからね、みんな十代だよね、若い」 「そりゃあ、そうですよ、オバサンはいないですよ」  美樹子はちょっとむっとした。どうせ、自分は20も年上のオバサンですからと不機嫌な顔をしている。その時、翔馬のスマホはなった。 「あっ、ママ? 今、デート中。誰って会社の年上の女の人だよ、ママと同い年だよ、ママと似ている人だよ」  ママと似ている? それだけで私を選んだの? ふざけんなよ。 「あれ? 美樹子さん、どうしたの? 顔色悪いよ」 「あの、あなたはどうして私と付き合っているの?」 「僕はママが好きなんだ。美樹子さんはママと似ていて、そばにいるとママみたいで安心するんだ」 「ふざけないでよ、私は、あんたのママじゃない。一人の女よ、間違えないで!もう、私に近づかないで!」  美樹子は、キレてその場を離れた。帰宅後、部屋にこもり、ケータイの住所録から、翔馬の名前を削除した。美樹子の目から、涙が溢れた。
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