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「ふいーっ。よく寝たぁ」
次の日の朝。
散りかけの桜並木の下で大きくのびをしていると、後ろから聞き慣
れた聞きたくない声がした。
「安定のアホ面だな」
案の定、東条がバカにしたような顔で歩いてくる。
コイツ……1年の時は私とおんなじくらいの身長だったのに!
どうやったらこんなにのびるの?
かなり上にある顔を恨めしげに睨みつつ、私は呟く。
「アホには言われたくない」
「アホって言った方がアホって知ってた?」
「うわその返しガキくさっ。小学生ですかー」
「小学生並みの身長のくせに、よく言えんな」
「はぁ?身長だけのびた奴がえらそーに」
「黙れチビ」
「アホがーっ」
ラリーのように続いてく会話にどこかホッとしてる私って何だろ
…...。
「おい山中」
「へ?何」
「ついてる」
珍しく真面目な顔をした東条が、私の髪に手をのばす。
「とれた…花びらついてたぞ。お前くせっ毛だもんなー」
「ぅ、うん。……えっと、ありがと」
きょ、距離近いっ。思わず顔が熱くなる。東条だからじゃないよ!
昨日莉奈に変なこと言われたせいかな。なんか私、ちょっとヘン
だ。
そんなんじゃないっての。目をそらして気持ちを落ち
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