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一歩、また一歩と確実に便所へと近づいていく自分。そしてついに一両目と二両目の間にある連結部分に差し掛かる。歩幅としては大股で一歩。または小幅二歩程度の短い距離なのだが、私の心と腹の中ではとてつもなく大きな障害である。 まず今回私が乗車した「旧国鉄車らしき古い普通列車車輌の連結部分について」を説明しよう。 連結部は分厚いアコーディオンカーテンで覆われており、その上に二枚の鉄板が横に重なって敷かれている。距離としては身長160センチある私が大股気味で1歩。または小幅2歩程度だ。日常なら何も気にせず通過してしまう距離である。しかし今回に限っては全くもって予断を許さない難関ともいえる箇所なのだ。 そもそも連結部分は列車の振動を直に伝えてくる。特に古い車輌は体が大きく揺れるため、連結部分の出入り口には左右に手すりがあると記憶する。それほどまでに揺れが激しい連結部。そんな場所に尻の穴が結界寸前の自分が連結部分に足を乗せるのは相当に勇気が要ることだ。かといって、その恐怖を回避すべく大股に一歩踏み出す。それもまた歩幅を替える事で要らぬ刺激を自らに与えるかもしれないという二択問題に突き当たり、そして決断する。
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