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ベッドで眠るジンギの手元にはゲーム端末のコントローラー・・・。
-ピクッ-
ジンギの人差し指が動く・・・。
パッと目を開けるジンギは
家電量販店で大量生産されている電子時計の時間を見る・・・。
<6:59:57>
<6:59:58>
<6:59:59>
<7:00:00>
0.3秒の間が空き
-ピピピピピピ-
部屋中にアラームの音が鳴り響く。
僕は必ずアラームがなる3秒前に目が覚める・・・完璧な体内時計だ。
たまに無意味な目覚まし時計を捨てようか迷う。
だが、それでは友達と言う人間が家に遊びに来た時に 普通じゃなくなる。
普通を演じる事をモットーとしている僕にとっては無意味な目覚まし時計も
普通を演じる上で重要なツールの一つだ。
ちなみに僕はたまにわざと遅刻をする・・・
普通の高校生は皆遅刻をするからだ。
ジンギはゆっくりと起き上がる
-ギギ・・・-
きしむベッドのバネ。
そして小学生の時から使っている黒のカーテンを窓面積の30%程開ける・・・。
黒にした理由は汚れが目立たなく、朝日を遮(さえぎ)るのに徹しているからだ。
-シャ・・・-
僕は差し込む朝日に目を背ける。
すぐに太陽の光に目が慣れた僕の視線には
いつものハトがベランダの手すりいる・・・。
見慣れたその光景に僕は見向きもせず
僕ははハンガーにかかっている制服と、
母親が洗濯したワイシャツと靴下を見つめる。
そして一言ポツリとつぶやく・・・。
「現実世界は・・・面倒くさい」
今日は 今学期最後の登校日だ。
今日も何も変わる事なく生きる・・・普通に・・・普通に。
だが、この普通に生きる今日が
僕の人生で一生体感する事のない・・・
「1年間の夏休み」の始まりだった・・・!。
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